さて後半戦です。
前回の記事はこちら。
■宇宙ステーション試験棟
なんと入口には宇宙服が展示してあります。
『実機（フライトモデル）を製作する前に機能試験などをおこなう実機とほぼ同等のエンジニアリングモデル』
（HPより）
動く模型も。
見学ツアーはここで終了。
ここからは中の方からお話を色々伺います。
■オリエンテーション
ツアー終了後、外のH-IIロケットのエンジン部分の説明を聞いてる際に印象に残ったのが、
『飛ばすまでが我々の出来ること。いったん飛ばしてしまったら後はコンピューターの制御になるから、唯一出来ることがあるとすればそれは”壊す”ことだけ』
という話です。
壊さずに、もし地上に墜落したら大変な被害ですからね。
有人の場合と無人の場合と、それぞれ作りは変わってきますが、この”壊す”という機能だけはいずれも2段階で搭載されているそうです。
今まで作り上げてきたものを壊すっていうのって、言葉に出来ない憤りですよね。
ちなみに今までの歴史でこの”壊す”判断をしたこと、一回だけあるそうです。
見学受付の建物に戻った後は、ロケット開発の歴史についてのお話や種子島の打ち上げ実験施設のお話しや、今後のJAXAのお話し(!)などを聞きました。
打ち上げ期間になると、種子島に一斉に人が訪れるそうです。
当初は、地元の漁業組合とかの反対にあったそう。
打ち上げ時には仕事ストップしてもらわないといけないですしね。
（そういえば、音圧の影響の話があったけど種子島の生き物へはどうなんだろう。）
現在では一斉に人が訪れることで、観光面での潤いもあるので持ちつ持たれつとかなんとか。
どんな物事にも良い面だけ、悪い面だけっていうのはないものですよね。
種子島の研究センターは、万が一ロケットが爆発した場合を考慮して、地下にあるそうです。
色々な面でリスク考慮がなされている。
さて、宇宙事業というものがどうやって成り立っているかというと、色々な国の色々な会社の”人工衛星事業”（って言っていいのか？？）を、各国の研究機関が受注してるらしいです。
狭い市場の奪い合い。
『宇宙事業は先進国のお遊びだ』というお言葉も有り、現在の研究技術は「宇宙に行くための手段」が目的になっている。
行ってそこからどうするか、というのがまだまだ手つかずの状態であり、JAXAとしてはそこの議論が活性化されれば、と考えている。
さて、そんなお話を聞いた後は、実際の宇宙飛行士の試験でもあるというホワイトジグゾーにみんなでチャレンジすることになりました。
本当は一人で挑むものらしいのですが、今回は３～４人のグループになりチャレンジ。
目印も参考もないので、ひたすら試してみては次のピースを嵌めてみるという、地道な作業エンドレスｗ
９×７ピースあるのですが、これがなかなか難しい。
左右とは合うのに、上と合わない、とか。
上下は合うのに左右が合わない、とか。
やっと出来たと思ったら、最後の2ピースになってはまらなかったり・・・。
で、どうにかこうにかみんなで協力してなんとか完成しました～！！
達成感ハンパなかったです（笑）
ちなみにこのジグゾーの趣旨の1つをちらっと教えていただきました。
この試験を通じてモチロン、さまざまチェックする点はあるようですが、聞くと確かになるほどな、という感じ。
未来の飛行士さんたち頑張れ！
さて、こういった流れで一日JAXA見学ツアーは終了。
その後の飲みの席でもやはり話は、「宇宙事業」というものへの世間の認知度がまだまだ低い＆宇宙ビジネスをもっと考えて行きたい、という思いに。
「他人事」ではなくすぐそこまで来ている世界なんだと知ってほしい、と。
こういった見学ツアー（今回のオリエンは省くとして）は、広報の一環として無料でやっていたり、打ち上げの生中継をやっていたり、各所でイベントをやっていたりなど、色々やってはいる模様。
11月にはビックサイトで、東京国際航空宇宙産業展2009 (ASET 2009)の後援もしてるようです。
1つ思ったのは、認知とビジネス化は戦略としては同じだけど戦術としては違うなということ。
（当たり前ですが。）
人々にとってJAXAという機関がどういう存在であるのかという、”関係”がまず先行しなければならない。
今の現状だと「技術（＝メーカ）」の機関であり、サービスの機関ではないんですよね。
ここは今後JAXAという機関がどうなっていくかに依存するところが大きいんですけども。
なんかちょっともやっとするので色々考えたいなー。
